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海まちラボ 海さんぽ「真鶴半島ネイチャーウォーク」 2022年2月6日(日)

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2022年2月6日(日)は、「海まちラボ 海さんぽ『真鶴半島ネイチャーウォーク』」を開催しました。 真鶴半島の先端には、地域のみなさんから「お林」と呼ばれ大切にされている照葉樹林の森があります。 それほど広くはない森ですが、古くから大切にされてきたおかげで、クロマツ、クスノキ、スダジイに代表される巨木が立ち並びます。また、お林は、森から海へと続く自然の様子や、人々が海と森とともに暮らしてきた歴史の跡も見ることができる貴重な場所です。 照葉樹林は神奈川県の天然記念物に指定され、海岸を含めた半島全体は県立自然公園に定められています。さらに、過去の火山噴火による溶岩でできた真鶴半島には、箱根ジオパークが認定するジオサイトも見ることができます。 そんな見どころ満載の真鶴半島を歩き、今回は冬の自然の様子を観察しました。 最初に訪れたのは、「山の神」。 ここは、真鶴の中心産業である石材業と漁業を営む人々が、海上安全と大漁祈願を願う神社です。 山の神に挨拶をして、いざ、お林の中へ。 気温の低い日でしたが、お林の中は、木々が冷たい風を遮ってくれるので穏やかでした。 お林を歩いていると、大きな木がたくさん立っているのよく目につきます。 特に太いのは、成長の早いクスノキです。 どのくらいの太さなのか、何本か計ってみました。 一番太い木は7m35cm! その後、お林で一番標高の高い灯明山から真鶴町を眺め、 海へと下って行きました。 下った先は番場浦海岸。それまでの暗い森から海へ出ると、冬の柔らかい日差しに照らされ、一気に明るくぽかぽか暖かくなりました。 番場浦海岸からは、伊豆大島や利島まで見ることができました。 海岸沿いの遊歩道では、真鶴溶岩の地層の上に、火山灰層が堆積している様子が観察できます。 真鶴半島が火山の噴火による溶岩でできていることがよくわかります。 また、遊歩道沿いの潮だまりを少し覗けば、アメフラシがのんびり海藻を食べ、小魚が群れをなして泳いでいました。 お林の生物から、海の生物も見つけて、参加した子どもたちも大喜びです。 (もっと磯あそびがしたいとのリクエストもありました。来月から磯の生物観察もスタートします!お楽しみに!) 真鶴半島を歩くと、お林から海岸、そして海の中までたくさんの生物たちが見られ、豊かな自然を実感することができます。 また今回は、...

海まちラボ「海トーク」 しらすを体験するには?〜地元の海と絵本『しらすどん』2021年12月10日(金)

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  ディスカバーブルーと真鶴町立遠藤貝類博物館では、新企画「海まちラボ」をスタートしました。「海まちラボ」は、真鶴の海の豊かさや魅力をさまざまな形で実感し、環境や持続可能利用について考えていただくプログラムです。 「海トーク」はその一環のトークイベントです。大人が楽しみながら学ぶことをコンセプトに平日の夜に開催しています。真鶴周辺の海で活躍されている講師をお迎えして、地域の海の魅力にさまざまな角度から迫ります。 2021年12月10日(金)は、海トーク、第2回。 講師に絵本作家 最勝寺智子さんをお迎えしてお話いただきました。 そのタイトルは 「しらすを体験するには?~地元の海と絵本『しらすどん』」 絵本の内容も、今回のタイトルもとても興味深々でわくわくしながらの講演開始となりました。 最勝寺さんは、小田原在住の絵本作家さん。自然環境や生物に大変興味をお持ちで、精密で美しい生物を描かれ、地元小田原の酒匂川河口や海岸のゴミ拾いの活動も精力的に行なってらっしゃります。 今回、しらすの絵本を捜索するにあたり、ダイビングで地元小田原の海に潜ってしらすを観察し、湯河原のしらす漁に同行して水揚げされる様子の見学もされたとのこと。その行動エピソードから、最勝寺さんの熱意や真剣さがよくつたわってきました。  また、お話を聞けば聞くほど、最勝寺さんの自然や生物を観察する視点、物事を誠実に捉える姿勢、熱心な探究心、その全てによって完成された絵本「しらすどん」を読むと、 こどもだけでなく大人のみなさんも、海に関する魅力も問題も幅広く深く、感じ考えることができると思います。  絵本を読み、さらに最勝寺さんのお話を伺うことによって、いつもの地元の海がまたちょっとちがう景色に見える、そんなあたたかな講演会になりました。 気になった方は、絵本「しらすどん」をぜひお手にとっていただけるとうれしいです。 最勝寺さん、ご登壇いただきありがとうございました。 ご参加のみなさん、ありがとうございました。 本イベントは、船の科学館「海の学びミュージアムサポート」により実施しました。

海まちラボ「海さんぽ」ひもの作り体験&プランクトン観察(2021年11月6日)

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ディスカバーブルーと真鶴町立遠藤貝類博物館では、新企画「海まちラボ」をスタートしました。「海まちラボ」は、真鶴の海の豊かさや魅力をさまざまな形で実感し、環境や持続可能利用について考えていただくプログラムです。 「海さんぽ」は、その一環の体験型プログラムで、地域の海の自然を楽しみながら学んでいきます。 2021年11月6日(土)は、海さんぽの第一回目。 真鶴で水揚げされた魚でひものづくり体験を楽しみ、その後プランクトン観察を行いました。 ひものづくりは真鶴魚市場で行いました。 ひものづくりの先生は、真鶴町漁協の北村さんです。 今回のお魚はタカベ、アカカマス、サバと 3 種類です。 種類ごとに異なる開き方を、北村先生に教わりました。 開いたら、水で内臓や血液を洗い、塩水につけてイベント終了まで乾燥させます。 この過程により、鮮魚の状態よりも長く保存できるようになり、また、旨味も増すようになります。 鮮魚といっても海の生物なので、よく見れば観察も楽しめます。 タカベをさばいていると、体内から寄生虫が見つかりました。 海の生物の中には、寄生生活を送る種類も実はたくさんいます。 ウオノエのなかま サバの胃袋からは、小型のイワシの仲間が出てきました。消化が進んで溶けかかっていましたが、サバがイワシを食べるていることがわかります。しかも丸のまま出てきているので丸呑みして食べているのです その小さなイワシはプランクトンを食べています。 午後は、真鶴港でプランクトンを採取し、顕微鏡で観察しました。 プランクトンは小さく、普段はあまり目にすることはありませんが、顕微鏡で除けばその数や種類の多さに驚きます。海の中にたくさん暮らしているプランクトンが、海の生態系を支えていることを体験していただくことができました。 最後は、海水温上昇やマイクロプラスチックなどの海洋環境問題、水産資源の問題についてお話しました。豊かですばらしい海ですが、課題も多くあります。まずは多くのみなさんに海の魅力を知っていただき、持続可能な取り組みについて一緒に考えていければと思います。 できあがったひものはお持ち帰りいただきました。 ご自身でさばいたお魚、美味しく召し上がっていただけたらうれしいです。 小さなプランクトンからつながる海の恵み、これからお魚を食べる時に時々思い出してい...

海まちラボ「海トーク」美しきプランクトン&世界と夜のプランクトン観察(2021年10月28日(木))

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ディスカバーブルーと真鶴町立遠藤貝類博物館では、新企画「海まちラボ」をスタートしました。「海まちラボ」は、真鶴の海の豊かさや魅力をさまざまな形で実感し、環境や持続可能利用について考えていただくプログラムです。 「海トーク」はその一環のトークイベントです。大人が楽しみながら学ぶことをコンセプトに平日の夜に開催しています。真鶴周辺の海で活躍されている講師をお迎えして、地域の海の魅力にさまざまな角度から迫ります。 2021年10月28日(木)は、「美しきプランクトンの世界&夜のプランクトン観察」でした。講師は、横浜国立大学 下出信次教授です。 下出先生は、長年、真鶴の海をフィールドに動物プランクトンをご専門に研究されています。最近では、真鶴で採集されたプランクトンの美しい顕微鏡写真を撮影し、世界的にも評価されています。 今回は、下出先生のご指導のもと、プランクトンについて学び、真鶴で採集したプランクトンを顕微鏡で観察しました。 顕微鏡での観察後は、下出先生の美しいプランクトンの写真を拝見しながら、その魅力についてお話いただきました。 顕微鏡でなければ見えない小さな世界の精巧で美しいプランクトンの写真がスクリーンに映し出されると、ご参加のみなさんからも「きれい!」と歓声が聞こえました。 さらにそのデザインには、水の動きを感じ取ったり、海中で沈まずに浮き続けたりするための役割があります。美しさと機能を備えたプランクトンは魅力的で、下出先生もいくら見ていても見飽きないとのことでした。 また、長年の調査研究の結果から、真鶴の海の変化についてもお話を伺いました。 真鶴町には横浜国立大学の臨海環境センターがあり、大学や研究機関の研究者や学生が調査や研究に利用しています。 横浜国立大学では約20年にわたり、水温や塩分、植物・動物プランクトンの種類や量を調査しています。長期間の継続した調査データは大変貴重で、これにより真鶴の海についてのさまざまなことがわかるようになります。