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海の生物観察コーナー(真鶴なぶら市)(2015年11月29日)

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11月29日(日)は、真鶴町行われている「なぶら市」にて、海の生物観察コーナーを行いました。 なぶら市は、毎月末に真鶴港の岸壁広場で開催されるイベントで地域の農作物や手作りの雑貨、漁業の町ならではの干物などのブースが出店しています。当日も真鶴町内の方はもちろん、町外からも多くの方が訪れて賑わっていました。 真鶴港岸壁広場が町内外からの出店、ご来場のみなさんでにぎわいます。 ディスカバーブルーでは、真鶴町立遠藤貝類博物館と共催で「海の生物観察コーナー」を出展しました。 当日の朝に三ツ石海岸で見つけた生物や、町内海岸でみつけた漂着物の展示、真鶴港で採集したプランクトンの顕微鏡観察を行い、ご来場のみなさんに海の生物のおもしろさとともに真鶴の海の豊かな自然をご紹介させていただきました。 隣のスペースでは、漁師さんがエビ網にかかった生物のうち、一般に食用とされないので売り物にはならない種類を提供してくださり、一緒に観察させていただきました。食用にならないと市場に出回らないので、あまり知られることがないのですが、中にはとても珍しい生物もいます。今回も普段はなかなかお目にかかれない生物に、スタッフも興奮してしまいました。 特に、今回はテヅルモヅルが2個体も揚がっていたのは驚きでした。薄茶色はオキノテヅルモヅル、黒体色によく見ると白色の斑点があるのはセノテヅルモヅルといって、クモヒトデのなかまです。比較的深いところに多くいるグループですが、水深20~30mにしかけた網にかかっていたそうです。 こんな珍しい生物に出会えるのも、真鶴の海ならではのことです。真鶴半島の東側には水深1000mを超える相模トラフが走り、深い海がすぐそばに広がっていることが理由と考えられます。 漁師さんのエビ網にかかったものの、市場に出ない生物たち。 海の生物に興味がある人にとっては、とてもうれしい。 セノテヅルモヅル 漁師さんのご協力のおかげで、真鶴には深い海もあること、それによってテヅルモヅルなどの珍しい生物も暮らす豊かな海なんだということも、ご来場のみなさんにご紹介することができ、お子様はもちろんのこと、大人の方も見慣れない海の生物に興味を持っていただけたようでした。地元にお住まいの方からも「真鶴の海って、おもしろいのね

海のミュージアム「なぎさは自然の博物館〜ビーチコーミングで漂着物をあつめてみてみよう〜(真鶴町)」(2015年11月15日)

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11月15日(日)は、「真鶴町三ツ石海岸海に親しむイベント 海のミュージアム『なぎさは自然の博物館~ビーチコーミングで漂着物をあつめてみてみよう~』」を開催しました。 真鶴町は午前中まで雨が降りお天気が心配でしたが、まるでイベント開始に合わせるように昼前から雨も上がり、無事開催することができました。 ビーチコーミングの概要や方法をご説明したところで、漂着物探しスタート。みなさんで、海岸を歩いて流れ着いたものを集めていきます。浜辺に落ちている何気ないものですが、気にして見てみると、おもしろい発見がたくさんあります。 心配だったお天気ですが、いつのまにか青空!   殻や流木、木の実などがたくさんありましたが、実は海岸の砂も、観察すればいろんなことがわかってきます。石の成分、混ざっている生物の殻や欠片は海岸ごとに異なり、その環境の特徴を示しています。 三ツ石海岸の砂。生物の殻なども多く含まれています。 波打ち際に沿って、ずーっと下を見ながら歩き、みなさんのバケツの中は、貝殻やビーチグラス、くるみやドングリなどでいっぱいになってきました。どんどん集中してきて、曇り空がいつの間にか晴れて、太陽が出ていることにも気づかないほどでした。 細かく枝分かれした木の枝のような、硬い海藻のようなのは温帯にも生息するサンゴで、ソフトコーラルと呼ばれる刺胞動物八放サンゴ類のヤギの仲間です。見つけたお子さんとお母さんのお顔もすっぽり入るほど大きくて立派でした! 大きなヤギ(サンゴの仲間)を発見!すごいね!   また、大きな流木が打ちあがっていましたが、見つけたお子様が「橋がかかってる!」と大喜びしていました。 大きな流木。「岩に橋がかかってるー!」子どもならではの発想が素敵でした。 40分くらいで、たくさんの漂着物が集まりました。それを「海のもの」「山・陸のもの」「人工物」に分けて観察しました。   「海のもの」では、主に三ツ石海岸周辺に生息すると考えられる貝やフジツボの生物の殻や海藻などが見つかっていました。   動物の骨も見つかりました。何の種類かまでは特定ができませんでしたが、脊椎動物の背骨のようです。 クルミは、真鶴半島にはあまり生育していませんので、相模湾に注ぐ河川

役場職員向け研修「海を活かしたまちづくり研修会〜真鶴の海を知る プランクトン観察〜(真鶴町役場のみなさん)」(2015年11月11日)

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11月11日(水)に、真鶴町役場職員のみなさんを対象に町内の海の自然についての研修会を開催し、ご多忙の中、さまざまな部署からご参加いただきました。 ディスカバーブルーと真鶴町立遠藤貝類博物館では、町内外の小学校等団体向けの「海の学校」や、町内の海の自然を楽しんでいただく「海のミュージアム」等のイベントを通し、真鶴町の海を多くの方々に楽しんでいただきています。本研修会では、町内の海を町役場のみなさんにも体験し、それだけ価値あるものということを改めて感じるとともに、今回はワークショップも行いました。 前半ではプランクトンの観察を行い、一人ずつ、顕微鏡を使って海の中の小さなプランクトンを見ていただきました。 11月にもなってくると水温も下がり、プランクトンの数や種類は減ってきますが、当日は動物プランクトンの代表的な種のカイアシ類や、ミニサイズのクラゲも多く見られました。 また、みなさんそれぞれに、お気に入りの種類も見つけ、写真をとるなど、楽しまれているようでした。 リクエストに答え、観察時間を予定より延長するほど、大変集中して観察していただきました。 渦鞭毛藻類ケラチウム クラゲ。比較的大きめで顕微鏡の視野からはみ出ています。 後半は、海の利用についての講義をはさみ、海を活かしたまちづくりのための「考え方」の練習として、ワークショップを行いました。 初めに、真鶴の海の魅力を簡単に書き出してもらいました。思いつくまま、いくつでも書いていただくと、5分でこんなにたくさんの項目が上がりました。 みなさんから挙がったたくさんの「真鶴の海の魅力」。 その後、魅力として出していただいた項目、またそこには上がらなかったものも含めて、町の海に関することをリソースとして真鶴町で取り組んだらおもしろいと思うプロジェクトのアイディアを発表してもらいました。 プロジェクト案をシェア。楽しい案ばかりで、笑いも絶えず、盛り上がっていました。 みなさんのアイディアには、それぞれの視点から見た真鶴町の様々なよいところが活かされていて、さらに、子どもの遊びや教育にまでつながることや、高齢化問題の解決にも貢献すること、メディアを通じて町外にも広く発信できる仕組みまで考えてあるものなど、本当に実現しそう

海の生物観察コーナー(真鶴豊漁豊作祭 魚まつり)(2015年11月7、8日)

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11月7日(土)、8日(日)は、真鶴町の豊漁豊作祭にて、海の生物観察コーナーを行いました。 このお祭りは、豊漁豊作を感謝するとともに、海の安全を祈願する「漁業の町真鶴」ならではのもので、漁協さんの鮮魚や干物の販売などの「魚まつり」も同時に開催されました。 今回は、会場内に真鶴の海の生物を展示して、町の海の自然の魅力を紹介したり、魚の餌になるプランクトンを顕微鏡で観察していただき、真鶴の漁業を支える小さな生物についても解説したりしました。 真鶴港と大漁旗。 魚まつりでの漁協さんの鮮魚販売。 海の生物は、ヒトデやナマコなど真鶴港や三ツ石海岸で見つかる生物を展示しました。今の時期、真鶴港の岸壁から覗くと、イトマキヒトデやアカヒトデがたくさん付着しています。港で釣りを楽しむ方も多いですが、ヒトデなどの生物の生息場所にもなっています。 真鶴港にいたイトマキヒトデ プランクトンも真鶴港で採集したものでした。寒さが増すこの時期は、プランクトンの生産も減少し、量や種類もだいぶ少なくなってきます。今回は、前日の夜と当時の朝にそれぞれ採集した試料を展示しました。 夜に採集したものには、カニのゾエア幼生(こども)などがいて、ご来場のみなさんにも観察していただくことができました。小魚の餌として特に重要なカイアシ類は、卵やそこから孵った幼生も見ていただけました。 真鶴港のプランクトン 海の生物の生態系を支える役割を持つプランクトンは、大人の方にはもちろん興味をもっていただけましたが、小学校低学年やそれよりも小さなお子様にも「顕微鏡を覗く」ということが楽しいかったようで、テントの下でいつまでも見てくれている子もいました。 踊りの衣装でプランクトン観察もお祭りならでは。 ※本イベントは、「海の学校事業」として真鶴町からディスカバーブルーが受託し実施しました。

海のミュージアム「なぎさは自然の博物館〜ビーチコーミングで漂着物をあつめてみてみよう〜(真鶴町)」(2015年10月25日)

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10月25日は、「真鶴町三ツ石海岸海に親しむイベント 海のミュージアム『なぎさは自然の博物館~ビーチコーミングで漂着物をあつめてみてみよう~』」を開催しました。 秋の三ツ石海岸はぽかぽかとあたたかく、やわらかい日差しに照らされた海もきらきらと輝いていました。散歩するだけでもよいリフレッシュになりそうです。 ビーチコーミングとは、海岸に流れ着いた漂着物をあつめて観察したりして楽しむことです。はじめに、どこからどんなメカニズムで三ツ石海岸へやって来るのかをご説明してから、みなさんと一緒に漂着物をさがしました。   意識してみると、海岸にはさまざまなものがあることに気がつきます。貝殻や海藻など海の生物のものはもちろん、それ以外にも予想もしていないものも見つかります。   波打ち際のすぐそばで見つかるものもあれば、それより数10メートル手前に打ち寄せられて溜まっている場所もあります。波に浮かんで運ばれてくるので、同じような比重のものが同じような位置に漂着するようになります。 40分ほどのビーチコーミングで、たくさんの漂着物が集まりました。それらを三つのグループに分けて観察しました。   一つ目は、「海のもの」。何といってもたくさん集まったのは貝殻でした。カサガイ、二枚貝、巻貝など数だけでなく種類もたくさんあります。その他、カイメン、フジツボやカニの甲羅やハサミ、刺胞動物のヤギのなかまやコウイカの骨なども、周辺の海に生息する生物のものと考えられます。   「陸・山のもの」グループには、クルミやドングリなどの木の実が多く、秋を感じさせてくれました。その中でも松ぼっくりやスダジイの実はクロマツやスダジイの多く生育する真鶴半島の照葉樹林「お林」からのものと考えられ、真鶴らしさが出ていましたが、クルミなど町内にはあまりない植物の実は、相模湾に注ぎ込む川によって海に流され、運ばれてきた可能性があります。   「人工のもの」グループにも、プラスチック容器、釣り糸に疑似餌、ライター、ペットボトル、サングラスなど、たくさん集まりました。「海にこんなものがあるなんて!」と意外なものが見つかるのでビーチコーミングはおもしろいのですが、残念ながら、これらはゴミになります。海岸に流れ着くのは、海に流れ出るゴミのほんの一部に過ぎま

「真鶴自然こどもクラブ 『まなづるの海の研究をたいけんしよう』」(2015年10月12日(月・祝))

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10月12日に、真鶴町内の子どもたちを対象に「真鶴自然こどもクラブ 横浜国立大学実習船『たちばな』体験乗船 まなづるの海の研究をたいけんしよう」を開催しました。真鶴町には、周辺の海洋環境の豊かで生物が多様であることから、横浜国立大学の海洋研究の拠点として臨海環境センターがあり、学生はもちろん、海洋生物や環境の専門家が研究のために訪れています。今回は、横浜国立大学にご協力いただき、町内の子どもたちに実習船に乗船し、臨海環境センターでの生物の観察などを体験してもらいました。 午前中は、実習船たちばなの体験乗船でした。よく晴れた空のもと、波も穏やかで、真鶴港を出発した船の上で子どもたちもみんな気持ちよさそうでした。 波しぶきや潮風をたっぷり浴びて楽しんだり、今回は特別に船の操舵も体験させてもらったりとうれしそうでした。 特別に操舵も体験させていただきました。カッコイイね! 観測ポイントでは、表層0mから深いところは100mまでの海水をくみ上げて水温を測ったり、直径80cmもある大きなプランクトンネットを引いてプランクトンを採集したりと、実際に大学生や研究者が行っている観測と同じ作業を体験してもらいました。調査が始まると、子どもたちの顔つきも真剣になり、積極的に作業に参加している姿が印象的でした。 説明を聞く子どもたちも真剣です。 水深100mまで採水器のおもりを沈めているところ。うまくいくと100m から振動が伝わります。 100mから採水した水にさわってみました。「つめたーい!」 直径80cmのネットで水深100mから採取したプランクトン。 後半は波がやや高くなってきたので、船酔いしてしまう子もいましたが、みんな最後まで乗船作業を頑張り、無事に港に戻ってくることができました。 ちょっと船酔い・・・最後までがんばりました! 下船後はお昼ご飯を食べて昼休みでしたが、休む暇なくおにごっこなどをして走り回り、船酔いしていた子もいつの間にか元気いっぱいに楽しんでいました。 午後からは、実習船で採ってきた試料をつかっての観察でした。 船の上で計測した0m~100mまでの水温に加え、塩分濃度計を使って各深度での塩分濃度の違いを比べてみました。また、真鶴自然こどもクラブの「たちば