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海のミュージアム「磯の生物観察会」

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 3月17日(日)は、海のミュージアム「磯の生物観察会」を開催しました。神奈川県 新しい公共の場づくりのため のモデル事業として 最後の開催 となった今回は、これまでで最も多いご予約 と ご参加を頂きました。     風もなくあたたかな日となり、絶好の「磯日和」となった今回は、 小学校にあがる前のお子様も多く ご参加頂きました。そんな小さなお子様も ご両親やお兄ちゃんお姉ちゃんと一緒に夢中になって、潮だまりの中や石の下や隙間も探して いただきました 。網を上手に使って魚をすくったり、素早く動くカニを工夫してつかまえたりと1時間弱の間に、たくさんの生物 で バケツや ケースを いっぱいに されて いました。         その後、みなさんが見つけた生物を動物門ごとにグループ分けをして、スタッフからそれぞれの特徴を解説させて頂きました。この時期に多いアメフラシは体が20cm程度になるものもいました。アメフラシは、触る など 刺激を与えると、体から紫色の液体を出します。この液体が水中で広がって行く様子が 、わき上がる 雨雲のように見えることから「アメフラシ」の名前の由来になったとも言われます。その ほかにも 、カニやエビなどの節足動物、ナマコやヒトデなどの棘皮動物、ホヤや魚類など脊索動物など、さまざまな生物が観察できました。      最後に、生物を見つけた場所にかえすのですが、 なかなかかえすことができず、 ずっと生物を見ていたり、触って夢中になっているお子様も いらっしゃいました 。 名残惜しそうにしている後ろ姿が、とっても微笑ましく、また、うれしい気持ちにもなりました。  普段の生活で海の生物と出会うことはなかなか多くなく、 皆様に 知られていないこともたくさんあります。 海は、水産資源、鉱物資源、海運、レジャーなど、私たちの生活と様々な関わりがあり、近年は防災や環境問題などでも注目を浴びてます。その一方で、そこにすむ生物たちを実際に目にする機会は残念ながら減ってきています。このような機会を通じて、海には多様な生物が生活し、それぞれが一生懸命生きていること、そして、そんなすばらしい海の自然が身近にあることが少しでも心に残ったり、海や海の生物たちを好きなってもらえるといいなと思

海のミュージアム「大人の海の学校 磯の生物観察会」

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Discover Blueでは、神奈川県新しい公共の場づくりのためのモデル事業に真鶴町と採択され、町立遠藤貝類博物館と共催で、皆さんに海の生物や生態系を知っていただくイベント「海のミュージアム」を開催しています。  3月16日(土)は、海のミュージアム「大人の海の学校 磯の生物観察会」を開催しました。「海が好き、生物が好き」そんな大人の方向けに、通常の磯の生物観察会よりも少し踏み込んで、詳しく調査したり専門的な解説をさせて頂こうと中学生以上を対象として開催しました。 ハチジョウキブシ。磯に下りる道の途中にあります。  今回は、少し「専門的」ということを意識し、「コドラート法」という方法で磯の生物調査を行いました。コドラート法は、生態学においてある調査地内の生物の分布を調べるための方法で、調査地内を一定の大きさの区画(コドラート)で区切り、区画内に生息する生物の種数や量を調べることにより、その調査地全体の生物の分布を推測するものです。  はじめに調査地点を決定したら、今回は1m×1mのコドラートの枠を設置し、まずは区画内の転石を裏返して、石に付着したり、石の下にいた生物を探しました。 小さなお子様が参加される場合は、カニやエビなどに人気が集中しますが、今回のご参加されたみなさんは、米粒くらいの小さな巻貝や、一見しただけでは動物とは見分けられないようなカイメンのなかまやコケムシのなかまも興味深く観察されていました。  転石を取り除いた後には、砂の中にいる生物を探します。スナモグリやウミグモ、ホシムシなど、スタッフもあまりお目にかからないような動物が出てきて、参加者のみなさまと一緒にスタッフ共々、磯の生物の魅力の深さを改めて実感することができました。 イソテッポウエビとスナモグリ 砂の中に見つけました。 ムツアナヒラフジツボ 石の表面にもたくさんの動物が付着しています。  今回の調査では、合計で53種を観察することができました。このような調査は、今後も季節や場所を変えて行い比較することで、さらにみなさまにも興味や関心を深めて頂ければと思います。

海のミュージアム「プランクトン観察会」

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Discover Blueでは、神奈川県新しい公共の場づくりのためのモデル事業に真鶴町と採択され、町立遠藤貝類博物館と共催で、皆さんに海の生物や生態系を知っていただくイベント「海のミュージアム」を開催しています。  3月9日(土)は、海のミュージアム「プランクトン観察会」を開催しました。今回は、おかげさまで申込み定員いっぱいのご予約を頂き、たくさんの方と一緒に海でプランクトンを実際に採集し、顕微鏡で観察して頂くことができました。 海のミュージアムでは、これまでにも「プランクトン観察会」を何度か実施してきましたが、冬季は、プランクトンの量が少なくなってしまうため、暖かくなってきた今回が、今年最初の開催となりました。 プランクトンネットでプランクトンを採集する様子。  プランクトンには、植物プランクトンと動物プランクトンがあります。植物プランクトンは海水中に溶けている栄養塩(リンや窒素)を利用して光合成をしていますが、冬季は日照量と海水温が低下し、植物プランクトンの生産量も減ってしまうのです。やがて春になると日の光を多く浴びて、植物プランクトンが急激に増えるようになります。2月から3月にかけて植物プランクトンが増え、海の透明度が下がった状態を「春濁り」といい、海の春の訪れを意味します。  今回の観察会は、この「春濁り」の時期にあたるので、多くのプランクトンを観察することができました。     植物プランクトンの珪藻類(けいそうるい)はこの時期、真鶴の海で多く観察できるグループです。当日は、寒天質の物質でたくさんの個体が集まって生活しているキートケロス(Chaetoceros属)の仲間をたくさん見ることができました。また、動物プランクトンのカイアシ類や、クラゲの仲間、ヤコウチュウなども観察できました。春になり、海の中でもさまざまな生物が活動し始めたことを実感することができました。