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海のミュージアム「三ツ石海岸ビーチコーミング〜漂着物をあつめよう〜」 2018年12月9日(日)

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2018年12月9日(日)は海のミュージアム「三ツ石海岸ビーチコーミング~漂着物をあつめよう~」を開催しました。 ビーチコーミングでは、海岸に打ち上がる貝やカニなどの生物の殻や、流木やビーチグラスなどの漂着物をあつめて観察します。なるべく干潮時の方がよいものの、磯の生物観察と比べると、季節やタイミングを選ばずに比較的いつでも海を楽しむことができるプログラムです。周辺の海のことだけでなく、黒潮にのって遠く南の海や外国から流れてくるものや、川を伝って山や陸、町から流れてくるものなど、漂着物の観察からはさまざまなことを知ることができます。 はじめのレクチャーでは、どんなものが拾えるか、漂着物のご紹介をしました。自分でも拾ってみたいものを考えて、海岸にさがしに行くとより楽しめます。 三ツ石海岸では、参加者のみなさんに自由に漂着物をさがしていただきました。当日は、「今シーズン一番の真冬並みの寒さ」と、天気予報が注意を呼びかけるほどの予報だったのですが、思ったよりも寒くなく、楽しんで探すことができました。 「ビーチコーミング」のコーミング(combing)はくしで髪をとかすように細かく探すという意味を持つだけのことはあり、みなさんも海岸にじっとかがんで夢中になって探されていました。 40分ほどの採集時間を終えて集合し、集まった漂着物を観察しました。貝殻やカニの爪などの海の生物はもちろん多く見つかり、三ツ石海岸周辺に生息する生物の種類がわかりました。採集中には、体長が1mを超えるウミガメも発見されましたが、残念ながら腐敗も進んでいました。このように漂着した生物からは、三ツ石海岸周辺の海にウミガメがやってきているということを知ることができます。さらに詳しく調査すれば、ウミガメが食べたものなどから、その生態も解明されます。 流木や木の実は、陸から海へやってきたものです。松ぼっくりやスダジイの実は、真鶴半島を覆う「お林」に生育する木々のものですが、クルミやクリ、スギなどは周辺にはないので、箱根や丹沢などの山から川を流れて海へ来たと考えられます。 ビーチグラスはビーチコーミングでは人気の漂着物ですが、ガラス瓶の破片が波や石で削られて丸くなったもので、元をたどれば人が投棄したものです。その他に、釣り餌、ペット

真鶴自然こどもクラブ「海の研究を体験しよう!」 2018年11月25日(日)

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2018年11月25日(日)は「真鶴自然子どもクラブ『海の研究を体験しよう!』」を開催しました。 真鶴町には横浜国立大学の臨海環境センターがあり、真鶴周辺の海の環境や生物をテーマに大学生や研究者が訪れて、調査や研究を行なっています。横浜国立大学だけではなく、他大学や研究機関などからも毎年多くの人が真鶴へやってきて、研究活動に取り組んでいます。真鶴の海は、研究や調査を行うフィールドとしても価値があるということで、今回のイベントでは地域のこどもたちも実習船に体験乗船し、地元の海の素晴らしさや海洋研究の一部作業を体験してもらいました。 体験乗船は、横浜国立大学の実習船「たちばな」に乗船しました。岩漁港からの出航です。船に乗ったことがあるよと教えてくれた子も、浮さん橋を渡って乗り込むのは少し不安そうでした。 でも、船が岩大橋の下をくぐって沖へ出る頃には、晴天にめぐまれた青空と青い海を目の前に、潮風に吹かれて気持ちよさそうにはしゃいでいる姿もありました。 サンプリングポイントに着くと、作業の説明や作業のお手伝いをしてもらいました。 海水は表層0mはバケツで組みますが、深いところはニスキン採水器を使います。これを丈夫なワイヤーにつけて目的の水深まで沈め、船からおもりを落とすと、水中のニスキンの蓋がしまってその深度の海水がボトルの中に閉じ込められる仕組みです。この方法では一度に複数の深度の海水が採取できます。今回は、10、20、40、70、100mの水深の海水を採取しました。 おもりがニスキンのボトルに当たって蓋がしまると、その振動がワイヤーを通して伝わります。その振動もみんなで確認しました。感じた振動が水深100mから伝わってきたのかと思うと、みんなでわくわくしてしまいました。 引き上げた海水は、船の上で水温を計ります。温度計を海水に入れてメモリを読む・・・その頃には、子どもたちのほとんどが、船酔い気味になっていました。船は走行中よりも、泊まって作業しているときのほうが酔いやすくなります。当日は海況もややうねり気味だったこともあり、ちょっと辛そうな子もいました。 それでも最後まで頑張ってプランクトンの採集まで行い、無事岩漁港に帰ってくることができました。 今回は、参加申し込みが多かったので

真鶴の海の生物観察コーナー in 真鶴 龍宮祭 2018年11月10日(土)〜11日(日)

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2018年11月10日(土)、11日(日)は、真鶴の海の生物観察コーナーを開催しました。当日、真鶴港で行われた「真鶴龍宮祭」の会場にて出展し、イベントに来場されたみなさんに、真鶴の海の生物や自然の魅力をご紹介しました。 観察コーナーでは、真鶴の海の生物を水槽などで展示しました。 生物が動く様子をが見れるので、カニが歩く様子や裏返したヒトデが元にもどる様子など、じっくり観察できるので人気でした。 またカニや貝、ナマコなどはさわってもらえるようにしたので、カニの甲羅の硬さや、ナマコのやわらかさなどを、実際に体験してもらいました。 海のプランクトンは、会場の真鶴港でつかまえたものを顕微鏡で観察してもらいました。プランクトンは小魚をはじめ多くの生物が餌としている生物で、海の生態系の中でも重要な役割を担っています。真鶴で水揚げされる美味しいお魚もプランクトンを食べて成長したことなども紹介しました。普段は顕微鏡を使う機会が少ないこともあり、来場者のみなさんには、レンズを通してみるミクロの世界という点でも楽しんでいただけたようでした。 植物プランクトン渦鞭毛藻類ケラチウムのなかま。 また、貝やウニの殻、カニの殻などの乾燥標本も展示しました。 こちらは真鶴の生物をメインに、北海道や沖縄などの他の地域の海に暮らす生物の標本も見ていただきました。 11日(日)は、この時期ならではの「季節来遊魚」も展示しました。 夏の間に黒潮に乗って、南の海から流れてくる魚の卵や稚魚が、夏の終わりから秋にかけての水温の高い時期だけ、真鶴の海でも見られるもので、チョウチョウウオやスズメダイのなかまの幼魚などが、かわいらしく泳ぐ姿を見せてくれます。 真鶴の海でも、熱帯魚が見られることに驚く方も多く、人気を集めていました。 真鶴にお住まいのみなさんには、おなじみの生物も多く、小学生たちははりきってスタッフのように解説してくれる子もいました。中には初めて見る生物もいるようで、地元の海の魅力を再発見されている方もいらっしゃいました。 また、町外から来場された方には、さまざまな生物が暮らす自然豊かな真鶴の海を少しでもご紹介できていればうれしいです。 ※今回のイベントは

海のミュージアム「ひもの作り体験&プランクトン観察」(2018年10月22日)

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2018年10月20日(土)は、海のミュージアム「ひもの作り体験&プランクトン観察」を行いました。 真鶴魚市場に集合し、真鶴港に水揚げされたお魚を使い、真鶴町漁協の朝倉さんにご指導いただき、ひものづくりを体験しました。 今回のお魚はカマスでした。カマスは今の時期が旬で、塩焼きやフライにしてもとても美味しいお魚です。 はじめに、朝倉さんからお手本を見せてもらい、そのあとみなさんでチャレンジしました。ひもののさばき方は、魚種によって異なりますが、カマスは背中側を開く「背開き」です。身を開いてから、内臓を取り出します。 鰓や心臓、胃や腸など、魚の体のしくみも観察することができました。胃内容物を調べて、生物がどんな餌をとっているのかを観察するのも生物の生態を研究する方法のひとつですが、今回のカマスの胃の中には、7~8cmのイワシと思われる小魚が入っていました。 ひもの作り、魚の開き方講習。みなさん、真剣! 真鶴町漁協朝倉さん、ご指導ありがとうございました。 みなさん、なかなかの腕前で、順調にカマスの背開きが出来上がっていました。 小学生のお子さんも、お母さんと一緒に包丁を手にして一生懸命チャレンジしていました。朝倉さんからも「今日はレベルが高いです!」と、お褒めのコメントをいただくほどでした。 開いたカマスは、血合いなどを綺麗にあらい、食塩水に浸してから干し網に並べました。網に並んだカマスは、もう立派な「ひもの」らしく見えました。ここからは、お天気も良かったので、天日干しで乾かしました。 開いた魚を網に干します。上手にできました。 おいしいひものが出来上がるのを楽しみに待ちながら、真鶴港でプランクトンを採集し、午後は顕微鏡で観察しました。 プランクトンをつかまえます。 プランクトンは、海の生物の生態系の起点となる生物です。地上では草木が光合成をして栄養をつくりますが、海では植物プランクトンがその役割を果たします。さらに、動物プランクトンがそれを食べ、シラスなどの小魚が動物プランクトンを食べます。先ほど、胃の内容物からカマスはイワシなどを食べていることがわかりましたが、イワシの餌となるのは小魚なので、カマスも食物連鎖でプランクトンとつながっているのです。

海のミュージアム「磯の生物観察会」「海の自然実感教室」 2018年10月8日(月・祝)

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2018年10月8日(月・祝)は海のミュージアム「磯の生物観察会」と「海の自然実感教室」を開催しました。 磯の生物観察会は、よく潮がひく大潮の干潮の時間帯に合わせて開催しています。潮の干満の時間は、日々異なっていて、季節によっても変化していきます。3月~9月ごろまでは、日中に干潮となりますが、それ以降は夜に潮がひくようになります。そのため、磯の生物観察会ができる期間も限られていて、今回の開催が今シーズン最後の観察会でした。 当日は少し雲の多いお天気でしたが、気温は少し暑いくらいで、半袖で過ごす方もいるほどでした。 ナマコもたくさん見つかりました。 見つけた生物は海岸で観察します。 生物の解説。みなさんで一緒にさがすとたくさんの生物をみつけることができます。 また、真鶴周辺の海の水温は9月~10月が最も高くなりますが、この時期限定のお楽しみが「季節来遊魚」です。黒潮に乗って流れて来た南方種の魚の卵や稚魚が、海水温が高い時期だけ、真鶴周辺の海でも見られるようになります。 いつも磯の生物観察を行う潮だまりでも、スズメダイのなかまなどの色鮮やかな魚の幼魚を見つけることができるようになります。かわいらしい季節来遊魚ですが、つかまえるのはなかなか難しく、参加者のみなさんもスタッフもなんとか頑張ってやっと数匹つかまえることができました。キセンミヤコスズメダイやイソスズメダイなどをみなさんと観察することができました。つかまえられませんでしたが、磯にはチョウチョウウオの幼魚も泳いでいました。 磯で見つかった魚。 今回はそのほかにも、ピンク色の外套膜がひらひらとして美しいミスガイや、カニダマシの仲間、オオアカハラの大きな個体なども見つかり、今シーズンラストの観察会を賑わせてくれました。来年の春、また元気な磯の生物たちに会えるのを楽しみにしたいと思います。 ミスガイ。貝殻の模様が「御簾(みす)」のよう。 オオアカハラ。甲幅2cm! おなか(ハラ)側が赤い。 午後は、「海の自然実感教室」を行いました。 標本や顕微鏡を使いながら、室内で生物の観察や海の自然について学ぶプログラムです。 標本は、生物を乾燥させて作ったもので、魚やカニ、海綿などを実際にさわっていただきました。実物を

真鶴自然こどもクラブ「ミニ水族館をつくろう!」 2018年10月6日(土)

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2018年10月6日(土)は「真鶴自然子どもクラブ『ミニ水族館をつくろう!』」を開催しました。 今回は、三ツ石海岸で生物を集めて水槽に展示し、みんなで力を合わせて水族館を作るプログラムです。参加してくれた子どもたちの家族や、三ツ石海岸に観光に遊びにきた方に水族館を見てもらって、子どもたちから生物を紹介してもらいました。 生物の探し方や安全に活動するためのお話をしてから、生物を探しにいきました。 今回はカニやナマコのほか、水族館ということで、魚を狙っている子も多かったです。 網を使って追いかけるのはもちろん、ペットボトルで作ったしかけに町内の釣具屋さんおすすめのイソメ(ゴカイ)を入れて仕掛けもしました。 見つけた生物をもって上がってきて、どんな生物がいるかみんなで観察しました。 台風が近づいていたこともあって、波がやや立っていたので魚をつかまえるのは難しかったようですが、クモハゼやアゴハゼなどのほか、スズメダイの仲間の幼魚などをゲットしている子もいました。スズメダイなど南方系の魚は、季節来遊魚といって、夏の終わりの水温が高い時期に、相模湾でも見つけることができます。この時期限定のお楽しみです。 お友達が見つけた生物も観察。たくさん見つかりました。 お昼を食べて元気満タンになった午後は、水槽づくりにチャレンジです。 ここからは班ごとのチームプレーが光ります。 「石入れる??」「持ってきたよ!」 「石は右?左?二つ入れる??」などと話し合いが聞こえてきました。 石のほかにも海藻や木の枝など、生物がよく見えるように考えたり、隠れる場所を作って住みやすいように工夫したり、水槽づくりは奥が深いのです。みんなで相談して頑張っていました。 水槽作り。みんな真剣に相談しています。  オープンに向けて準備中。 そしてとうとう「ミニ水族館」がオープンしました。 ミニ水族館オープン! 参加してくれた子どもどうしで水槽を見回っておすすめ生物を紹介しあったり、オープン時刻に合わせて、お父さんお母さんや兄弟が見にきてくれたり、ミニ水族館の会場は盛り上がっていました。 また、三ツ石海岸に観光で来られたお客さんや散歩を楽しむ地域の方も立ち寄ってくださり、子どもた