海のミュージアム「ひもの作り体験&プランクトン観察」(2018年10月22日)

2018年10月20日(土)は、海のミュージアム「ひもの作り体験&プランクトン観察」を行いました。

真鶴魚市場に集合し、真鶴港に水揚げされたお魚を使い、真鶴町漁協の朝倉さんにご指導いただき、ひものづくりを体験しました。
今回のお魚はカマスでした。カマスは今の時期が旬で、塩焼きやフライにしてもとても美味しいお魚です。

はじめに、朝倉さんからお手本を見せてもらい、そのあとみなさんでチャレンジしました。ひもののさばき方は、魚種によって異なりますが、カマスは背中側を開く「背開き」です。身を開いてから、内臓を取り出します。

鰓や心臓、胃や腸など、魚の体のしくみも観察することができました。胃内容物を調べて、生物がどんな餌をとっているのかを観察するのも生物の生態を研究する方法のひとつですが、今回のカマスの胃の中には、7~8cmのイワシと思われる小魚が入っていました。

ひもの作り、魚の開き方講習。みなさん、真剣!
真鶴町漁協朝倉さん、ご指導ありがとうございました。

みなさん、なかなかの腕前で、順調にカマスの背開きが出来上がっていました。
小学生のお子さんも、お母さんと一緒に包丁を手にして一生懸命チャレンジしていました。朝倉さんからも「今日はレベルが高いです!」と、お褒めのコメントをいただくほどでした。

開いたカマスは、血合いなどを綺麗にあらい、食塩水に浸してから干し網に並べました。網に並んだカマスは、もう立派な「ひもの」らしく見えました。ここからは、お天気も良かったので、天日干しで乾かしました。

開いた魚を網に干します。上手にできました。

おいしいひものが出来上がるのを楽しみに待ちながら、真鶴港でプランクトンを採集し、午後は顕微鏡で観察しました。
プランクトンをつかまえます。
プランクトンは、海の生物の生態系の起点となる生物です。地上では草木が光合成をして栄養をつくりますが、海では植物プランクトンがその役割を果たします。さらに、動物プランクトンがそれを食べ、シラスなどの小魚が動物プランクトンを食べます。先ほど、胃の内容物からカマスはイワシなどを食べていることがわかりましたが、イワシの餌となるのは小魚なので、カマスも食物連鎖でプランクトンとつながっているのです。


顕微鏡でのプランクトン観察。

植物プランクトン珪藻類や動物プランクトンが見られました。
中央に上から伸びているのは、刺胞動物。

プランクトンを観察している間に、ひものができあがりました。
真鶴町漁協のご協力で、きちんと包装までしていただき、まるでお店で売っているかのようなできあがりに、みなさんもうれしそうでした。

お持ち帰りいただいたひものは、味わっていただけたでしょうか。

真鶴のおいしいお魚を使って自分で作ったひものは、特別においしいのではないかと思います。また、魚とプランクトンのつながりも知っていただき、海の生態系やその恵みも実感していただけたのではないかと思います。

※今回のイベントは、船の科学館「海の学びミュージアムサポート」の協力により、真鶴町立遠藤貝類博物館主催、特定非営利活動法人ディスカバーブルーが企画・実施しました。

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