海のミュージアム「冬の『お林』ネイチャーウォーク」(12/1)
12月1日(日)は、「海のミュージアム ~冬の『お林』ネイチャーウォーク」を開催しました。 真鶴半島の森林の一部と、岬の先端の岩礁は、神奈川県立自然公園の特別地域に指定されたすばらしい自然があります。その中に「お林」と呼ばれ地元の人に大切にされて来た森があり、2009年には神奈川県の天然記念物に指定されています。今回はその「お林」をメインに、半島の自然を観察しながら歩きました。 「お林」は常緑照葉樹といって、一年を通して緑色をした葉をつける樹木の生い茂る森で、温暖な地域の森林の特徴を持っています。日本の太平洋側は南から流れる黒潮が千葉県沖ぐらいまで流れており、その一部が相模湾へも入っています。この黒潮の影響を受けて真鶴半島も比較的暖かく、冬のこの時期でも、緑の中での森林浴を楽しむことができます。豊かな森にも海流が関係しているのというのを知った上で実際に観察すると、海と陸とのつながりを感じられます。 今回は特別講師として、神奈川県立生命の星・地球博物館の学芸員で植物がご専門の田中 徳久さんをお招きし、植物の名前や特徴を詳しく教えて頂くことができました。植物の種類の見分け方も教えて頂きましたが、葉の形だけでなく、葉脈(葉に通っている筋)の枝分かれの仕方の違いも種を調べる鍵になるということを聞いて、みなさんも驚いていらっしゃいました。 「お林」の中にはたくさんの鳥も生息しています。そこで、参加者のみなさんに1分間じっと耳を澄ましてもらって、何種類の鳴き声が聞こえるかを数えてもらいました。風で葉のこすれる音に混じって、いろいろな鳴き声が聞こえてきました。今回は、シジュウカラ、コガラ、トビやガビチョウなど8種類のさえずりを確認できました。 その他にも、モグラが土を掘った痕の「モグラ塚」を見つけたり、葉に産みつけられた虫の卵を発見できたりと、「お林」は、多くの動物の生息場所にもなっていることも観察できました。 ネイチャーウォークの後半は、番場浦から三ツ石にかけての海岸を歩きました。 海岸にも植物は多く、トベラの実が割れ中の赤い果実が見えたり、イソギクやツワブキなどの植物が黄色い花を咲かせたりしていて、冬の海岸の鮮やかな植物を観察して楽しんで頂くことができました。 お林から三ツ石が見えるスポット。