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出前授業 茅ヶ崎市立茅ヶ崎小 3年生(2020年12月21日)

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2020年12月21日(月)に、茅ヶ崎市立茅ヶ崎小学校3年生に出前授業を行いました。 茅ヶ崎小の3年生には、11月に学校へ伺って室内でのレクチャーを行いましたが、その後、担任の先生から「茅ヶ崎の海の楽しさを実際に子どもたちに体験させたい」とのことでご依頼いただき、今回、海岸でビーチコーミングを行うことになりました。 はじめに、茅ヶ崎の砂浜の地形や環境、利用についてお話ししました。 その後、ビーチコーミングの楽しみ方と注意事項について説明し、海辺に打ち上がった漂着物を探してもらいました。 当日は、お天気に恵まれ、冬晴れのもと実施することができました。大変な冷え込みが予想されましたが、子どもたちは元気いっぱい海辺を駆け巡って、気になる漂着物をみつけては、「これ何ですか~!?」と、代わる代わるスタッフのところに聞きにきてくれていました。 また、地元の海に友達みんなで出かけ、きらきら輝く海面や波が打ち寄せる様子を見たり、見たこともない漂着物を見つけたりして、子どもたちはとても楽しそうでした。その様子から、子どもたちにとっては、海にでかけてみるというだけもよい体験になるということを、スタッフも改めて実感することができました。 漂着物を集めた後は、クラスごとに集合し、スタッフが解説しました。 授業は全4クラスを2つに分け、前半2クラス、後半2クラスずつ少し場所を変えて実施しましたが、それぞれ見つかる漂着物が少しずつ違いました。 前半のクラスでは、貝のなかまが比較的多く、サクラガイも見つかっていました。後半のクラスでは、小型の甲殻類アミのなかまが波打際にたくさん打ち上がっていて、子どもたちの興味を集めていました。 微小貝や小石とともにエビに似た透明なアミ類が打ち上がっている。 解説中も子どもたちからたくさんの質問が出て、時間が足りないほどでしたが、みんなが海にも、漂着物にも興味を持ってくれていることがわかりました。 海での実際の体験活動を通してしか得られない学習の効果が、子どもたちの中に残ったのではないかと思います。 ディスカバーブルーでは、「海の授業」として、学校や幼稚園・保育園等団体向けの出前授業を行なっています。お申込み受付中です。 http://www.discoverblue.org/uminojugyou.html 参加者:計144名(うち児童136名

海と海のSDGs & 調べ学習の教員向け研修講座 2020年12月19日(土)

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2020年12月19日(土)は、鎌倉市立図書館と共催で「海と海のSDGs & 調べ学習の教員向け研修講座」を鎌倉市の小中学校の教員を対象に開催しました。 今回の研修は、小中学校の先生方に、海をフィールドとした体験学習を実際に楽しんでもらい、そこから学校で行う調べ学習の授業に活用してもらおうと企画したもので、テーマには海の自然や生物に加え、SDGsも含めて実施しました。 海での体験学習として、今回は鎌倉の海辺で漂着物を集めて観察するビーチコーミングを行いました。はじめに、ビーチコーミングの概要や楽しみ方を説明し、先生方に各自で漂着物を集めていただきました。 海辺で貝殻をはじめ、漂着物を探すのは、子どもに限らず大人でも楽しめる作業です。先生方も時間が足りないと感じるほど、夢中で漂着物を集めてきてくださいました。 集まったたくさんの漂着物は、後ほど、先生方自身で調べ学習を行うことにしていましたので、海岸での解説は簡単に済ませ、室内の会場に移りました。 室内では、漂着物が打ち上がる仕組みや、ビーチコーミングの楽しみ方と学習への活用方法についてレクチャーしたあと、海辺で拾ってきた漂着物について調べていただきました。その漂着物が何であるか、正体を調べるのは難しいのですが、それを調べ、さらにどこからきたのかを特定することによって、鎌倉の海の自然に関すること、周辺の陸上の環境に関すること、人間の文化的・経済的な活動についても考察することができることを体験していただきました。 その後、海の環境とSDGsについてレクチャーし、プランクトンを観察していただきました。海は私たち人間とあらゆる場面で大きく関わっており、学校での授業に取り入れることができるテーマがたくさんあり、効果的な学習につなげられるヒントをお話しました。 最後は、鎌倉市立図書館の司書の方から、参考図書とその活用方法についてご紹介があり、先生方が実際に学校で海とSDGsをテーマに授業の計画を作成されていました。 今回のビーチコーミングは特別な道具も必要なく、誰でも楽しめるプログラムですが、海には、そのほかにも学習のきっかけにできる要素がたくさんあります。これから、学校でも授業で取り扱われる機会が増え、子どもたちが海を身近に考える時間が増えるとよいと思います。 ディスカバーブルーでは、「海の授業」として、

海のミュージアム「真鶴半島ネイチャーウォーク〜お林&ジオ〜」 2020年12月13日(日)

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2020年12月13日(日)は、海のミュージアム「真鶴半島ネイチャーウォーク~お林&ジオ~」を開催しました。 真鶴半島は相模湾の西の端の小さな小さな半島ですが、半島を覆う照葉樹林「お林」とその周りを囲む番場浦海岸、三ツ石海岸などの海辺は、狭い範囲にも関わらず見どころいっぱいです。 今回は、真鶴半島の森と海辺の自然を体験しながら、それらがどうして魅力的なのか、その理由についても探りながら歩きました。 真鶴半島の照葉樹林は、神奈川県の天然記念物であり、また、神奈川県立自然公園にも指定されています。町の人々から「お林」と呼ばれていることからも分かる通り、地域の人々に親しまれる森です。江戸時代のはじめに幕府の命を受けて植林されたクロマツ、明治時代に天皇の御料林となって植林されたクスノキ、その後、昭和に町有化されると自然植生のスダジイが増えてきました。この3種類が現在のお林を構成する主な樹種で、お林の中を歩くと、これらの樹冠が私たちの頭のはるか高くに見えます。この天井の高い森の景観が見事なのは、お林ならではの特徴です。 森林ができはじめてから、長期間にわたって持続すると、樹高の高い木の林ができて安定した森になります。この状態を極相林といいますが、お林は、江戸時代から長い間大切にされてきたおかげで、現在、極相林の姿を見ることができています。 お林に入る前に、「山の神」にお参りしました。 「山の神」は、お林の中に突然現れる鳥居と小さな祠です。「山の神」というと全国的には山間部で林業や農業を営む人々の神様です。しかし、真鶴の山の神は海沿いにあり、古くから漁業者に大切にされています。真鶴半島のお林は「魚つき林」と呼ばれ、昔から漁師が大切にしてきた森です。今でこそ、プランクトンの生産には陸由来の栄養が必要だということが知られていますが、真鶴の漁師たちは、昔から魚がとれるのはお林のおかげだと考え、大切にしてきたことがよくわかる場所です。 また、真鶴町は漁業と並び、石材業が盛んな町で、町内のいたるところで採石が行われてきました。真鶴半島の先端部分も、この地で噴火した真鶴溶岩が固まってできた頑丈な新小松石の産地で、特に海岸部分は相当の石材が切り出されたと考えられています。 石材業に関するみどころもたくさんありますが、今回は石材を切り出すための「矢穴」のあとや、運び出した場所な

真鶴自然子どもクラブ「水ものがたりと川の生き物をしらべよう!」 2020年11月8日(日)

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2020年11月8日(日)は、真鶴自然子どもクラブ「「水ものがたりと川の生き物をしらべよう!」を行いました。 真鶴自然子どもクラブは、真鶴町と湯河原町の小・中学生を対象に、地元の豊かな自然の中で遊んで楽しみ、その自然の上に成り立つ人々のくらしや風土、歴史などを学ぶ体験プログラムです。 今回のテーマは「川、水」。 真鶴町は、町内に川がない町ですが、岩地区には大正時代まで滝が流れ、そこから流れる水は集落の人々が生活するために大切に使われていました。 現在では、滝の水は流れなくなりましたが、町内の水路には、水量は少ないものの湧き水が流れています。今も残るこの水路の水を通して、生物にとっての水の大切さや水源としての森の重要性、川と海のつながりを学びました。 集合場所は、岩ふれあい館(旧岩小学校)は、大正時代までは田んぼでした。今では想像できませんが、岩地区は水が豊かだったということがわかります。 岩ふれあい館のそばには、水が湧いているところがいくつかあります。それをたどって歩いてみました。 水路をたどってやって来たのは、瀧門寺です。ご住職から、お寺や岩地区と水の歴史についてお話しを聞きました。 お寺の名前に「瀧」が入っていることからもわかるように、瀧門寺は、境内に立派な滝があり、ここから流れる水が集落の人々の生活を支えていました。また、岩ふれあい館にあったという田んぼの水も、ここから引いていたそうです。 滝の水は、関東大震災の後に流量が減り、その後、滝の上の山の開発が進むと流れなくなってしまったそうです。 以前は、豊かな水が流れ落ちていた場所は、お寺の一番奥にあります。今回は特別に見学させていただきました。 滝の水は無くなりましたが、お寺の周りで今でも少しずつ水が湧き出していて、参道横の水路を流れています。この水路の生物をみんなで探して観察しました。 子どもたちはみんな、生き物をつかまえるのが大好きです!夢中になって探していました。 サワガニ、モクズガニ、カワニナ、シマヨシノボリなどのほか、ヤゴやトビケラの幼虫なども見つかりました。こんなに小さな水路でも、いろいろな生物が暮らしていることがわかりました。 その後、さらに水路をたどって歩き、海へ出ました。 岩海岸では、漂着物をあつめてビーチコーミングをしました。 砂浜をかけっこしたり、水切りで競ったり、波を追い

海のミュージアム「三ツ石海岸ビーチコーミング〜漂着物をあつめよう〜」 2020年11月1日(日)

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  2020年11月1日(日)は、海のミュージアム「三ツ石海岸ビーチコーミング」を開催しました。 はじめに、会場の真鶴町立遠藤貝類博物館にて、ビーチコーミングの説明をしました。 海から流れ着く「漂着物」には、海のものだけでなく、山や陸、市街地などからもさまざまなものがやってくること、また、黒潮に乗って、遠く南の海からやってくるものもあることなどをお話ししました。 そのあとは、みなさん一緒に三ツ石海岸へ移動して、漂着物を探していただきました。 波打ち際に近いところや遠いところ、石がごろごろしているところや、砂がたまっているところ、潮だまりの中など、気になったところをそれぞれ探してもらいました。 今回のいちばんの発見、バショウカジキの背びれの骨! 40分ほどの収集で、たくさんの漂着物が集まりました。 集合して、どんな漂着物が見つかったのか観察してみました。 漂着物は、「海のもの」「山・陸のもの」「人工物」の三つに大きく分けることができます。それらにグループ分けしてから、スタッフが解説しました。 「海のもの」は、貝殻やコウイカの骨(殻)やカニの抜け殻など、真鶴周辺に生息している生物由来のものがほとんどでした。 「山・陸のもの」は、流木、松ぼっくりやクルミなど、実りの秋らしく木の実がたくさん見つかっていました。 「人工物」は、ペットボトル、漁業で使うおもり、靴の底、ライターなどなど、私たち人間の生活や産業の様子を改めて見せてくれます。中でも、自然環境中で分解されないため近年問題となっているプラスチック類では、粉々に砕けたマイクロプラスチックもたくさん見つかっていました。 ビーチコーミングでは、海の自然のことについて知ることができますが、それ以外にも、木ノ実などから川の流れを通じてつながっている陸上の自然についても知ることができます。さらに、川は海で植物プランクトンや海藻が利用する栄養も運んできており、海が豊かなのは、山と川のおかげだということも実感することができます。しかし、漂着物の観察からは、川がプラスチックをはじめ、海にとって問題になるものも陸から運び込んでしまうこともわかります。陸上に暮らす私たちの生活が海に影響を与えているということも、日頃から忘れないようにしたいところです。 バショウカジキの背びれの骨、大きいですね! 集めた漂着物は、標本として持って帰っ

出前授業 湯河原町立湯河原小学校 4年生(2020年10月28日)

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湯河原町立湯河原小学校4年生に出前授業を行いました。 湯河原小学校の4年生では、総合の学習の時間に地域の自然を学んでいて、ディスカバーブルーは、地域の自然についての授業を数回にわたって継続的に実施しています。 湯河原町にも海はありますが、湯河原小学校のすぐそばには千歳川という川が流れていて、子どもたちにとっては川の自然が身近です。身近なところから学習しようということで、今回は川の生物観察を行いました。 活動に入る前に、川での生物の探し方や、野外活動にともなう危険についても説明しました。体験学習では、安全に楽しめることが最も重要です。 その後、川に入って、生物を探しました。 10月の川は、水温も低くなってきていますが、子どもたちは元気いっぱい楽しんでいました。 学校近くの川でも、実際に入ったり生物を探したりするのは、ほとんどの子どもが初体験でした。さまざまな生物が生息しているということはもちろん、川についても、流れる水が冷たくて早い、意外と深い、など発見も多いようでした。 ヨリノボリなどの魚類、ヒラテテナガエビ、カワニナ、トビケラなど川虫の幼虫がたくさん見つかりました。 サワガニ コオイムシ(神奈川県 絶滅危惧種ⅠB類) 解説をしながら、みんなで観察し、地域の自然の大切さをお話ししました。 ヒラテテナガエビなどの回遊する生物にとっては、川と海がせき止められることなく繋がっていないと生息することができません。 また、今回はタガメのなかまのコオイムシ(神奈川県 絶滅危惧ⅠB類)も見つかり、身近な自然が大変豊かで大切な環境であることが実感できました。 好きな生物をスケッチしました。 参加者:計59名(うち児童53名) ※出前授業「海の授業」は日本財団の協力を得て実施しています。