「真鶴自然こどもクラブ まなづる港 海の生物探検隊」(2014年11月24日(月))

 11月24日は、真鶴町内の児童対象イベント「真鶴自然こどもクラブ」で「まなづる港 海の生物探検隊」を行いました。


真鶴港の岸壁に集合し、スタッフから真鶴港の歴史と地形のお話をしてから海の生物探検隊が出発しました。
真鶴港と海の生物たんけん隊のみんな。
まず、港の北側へ回るルートを岸壁から覗きながら生物を探しました。子供たちも身を乗り出して港の中を覗き込んでいました。水温が下がってプランクトンの数が少なくなってきたので、海水が夏よりも透明で、水の中がよく見え、トウゴロウイワシの群れやメジナなどの魚がたくさん泳いでいるのがわかりました。
出発してすぐに、探検隊はアカヒトデを発見しました。アカヒトデは、同じ町内でも三ツ石海岸の磯ではあまり見られません。ヤツデヒトデなどと違って、潮間帯のように潮が引く場所ではなく、いつも水の中で生活しています。

網でつかまえてみると、5本ある腕のうち2本には、ぽこっとコブのようなものがあり、子供たちは興味深々。中を解剖して見てみると、小さな小さなアカヒトデヤドリニナというアカヒトデに寄生生活する巻貝が入っていていました。大発見に探検隊は大騒ぎでした。

アカヒトデナドリニナ

次にたどり着いたのは、港の北西に位置するスロープでした。ここでは、イソバナやヤギなどのサンゴのなかまや大きな巻貝の殻、ホウキボシなどヒトデのなかまを発見しました。これらの種類も、磯や砂浜などの浅い海ではあまり見かけない生物ですが、ここは、刺し網漁の船が入ってきて、海底に仕掛けておいた網を船に上げ下ろしする場所なので、網にかかった少し深いところの海の生物が落ちているのです。磯観察や海水浴ではお目にかかれない珍しい海の生物に出会うことのできる貴重な場所で、漂着物を拾い「お宝ゲットしたー」とうれしそうでした。

港の北側はたくさんの船が係留されていて、出発した場所よりずっと水深が深くなっていました。ここではいろいろな魚を次々と発見。
ソラスズメダイやチョウチョウウオ、ハコフグなど、真鶴の海よりは南のあたたかい海で生息している種類が黒潮にのって北上し、冬になってさらに水温が下がるまで相模湾でも生活していて、季節来遊魚(死滅回遊魚)といいます。
みんなもかわいい魚に夢中で、網でつかまえて観察したかったのですが、残念ながら逃げられてしまいました。
スタッフも頑張りましたが、魚には逃げられてしましました。
「魚つかまえるのむずかしいね」
しかし、その後港の南側でネコザメを発見し、またまた大興奮でした。すでに死んでいたのですが、きっとこれも漁の網にかかったものだと考えられます。子供たちは大興奮で網で引き上げましたが、その臭いにもびっくりしていました。魚や生物が死んで分解されていく過程ではこんなに強烈な臭いがするんだということも、港や海辺を歩いていて知ることができます。
死んで港に浮かんでいたネコザメ。
港の南側のゴールまでたどり着き、今回の探検は終了しました。近くの集会所で探検のふりかえりをし、どんな生物がいたかを思い出してみて、どうしてそこにいたのかを考えたり、スタッフから解説したりしました。みんな最後までよくがんばったので、町内の港でこんなにたくさんの発見や驚きがあるということに気づくことができたと思います。時々、港を覗いてみて、どんどん新しい発見をしていってほしいと思います。
夕暮れの真鶴港でゴールに到着。

※今回のイベントは、文部科学省 公民館を中心とした社会教育支援事業の一環ととして、真鶴町立遠藤貝類博物館と特定非営利活動法人ディスカバーブルーが実施しました。

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