「海のミュージアム』ビーチコーミング〜なぎさは自然の博物館〜vol.2
Discover Blueでは、神奈川県新しい公共の場づくりのためのモデル事業に真鶴町と採択され、町立遠藤貝類博物館と皆さんに海の生物や生態系を知っていただくイベント「海のミュージアム」を開催しています。
12月2日は、「ビーチコーミング ~なぎさは自然の博物館~」の2回目を開催しました。前回開催から約1ヶ月が経過し、冬の寒さが増した海辺で生活している生物を探したり、海のものや河川が海に運んだ陸のものなど、様々な場所から海流によって運ばれて流れ着いた「漂着物」を集めて、観察しました。
はじめに、真鶴町立遠藤貝類博物館内で、ビーチコーミングについてや真鶴周辺の海流や相模湾に流れ込む河川が運んだものがどのように流れてくるのかについて解説しました。
その後、博物館を出発し、番場浦海岸から潮騒遊歩道を抜けて三ツ石海岸へ移動しながら、ビーチコーミング(漂着物の探索)をしました。
お林を抜けて番場浦海岸へ |
夏場に比べるとずっと気温が低くなりましたが、そのような環境でも、ナマコやカニ、貝などの姿を見つけることができました。気温が低いせいか、カニは動きが遅く簡単につかまえることができました。
ビーチコーミングの様子。 |
ムラサキクルマナマコ。 触ると柔らかく、つるつるとしています。 |
また、海辺は潮の影響を受けるため、森林などで見かける植物にとっては厳しい環境なのですが、海辺でしか見られない海岸植物もあります。
冬のこの時期は、イソギクやツワブキが見頃で黄色の花が海岸を彩っていました。
イソギクの黄色が鮮やかです |
さらに今回は、沖縄などで見られるミナミイワガニも見つけました。このような生物は、南方からはるばる黒潮に乗って、相模湾へやってくると考えられます。こんな遠方からの生物と出会いからも、海がさまざまな環境の場所とつながっているのだということを実感することができます。
ミナミイワガニ |
採集を終えて博物館に戻ってから、集めた漂着物を「どこから来たものか?」をポイントに分類し、スタッフから解説させて頂きました。海の生物や貝殻はもちろん、くるみやカマキリの卵嚢などは山から、ガラス片や空き缶のプルタブ、ゴミなどは私たちの住む町から海へ来たものと考えられます。
みなさんが集めた漂着物を分類。海からのもの、山や陸からのものなど。 |
スタッフが漂着物について解説しました。 |
なぎさの漂着物をちょっとした知識をもって見つめてみると、私たちの生活と海のつながり、海や陸の自然環境のつながりなど、たくさんのことを教えてくれました。
次回の海のミュージアムは、「冬の真鶴半島ネイチャーウォーク」1/27(日)、2/2(土)となります。真鶴の海辺やお林などの素晴らしい自然や港町の景色の中を解説を交えながら歩きます。ぜひ、ご参加ください。