夏の海 〜海のにごりとプランクトン〜
みなさん、こんにちは。Discover Blue代表理事の水井です。よろしくお願いします。 Discover Blueの活動の様子に加えて、博士(環境学)の水井(専門:海洋生物学)が海の生物や生態系、環境などについて、ご紹介します。 この夏、皆さんは海に遊びにいらっしゃいましたか? 湘南海岸をはじめとした相模湾は、この時期、たくさんの方が遊びにいらっしゃいます。 しかし、多くの方は相模湾はきれいな海って思わないかもしれません。 その理由は緑とか茶色っぽくにごっているから。 沖縄の様な透明度の高い(透き通っている)海では、ないですもんね。 でも、にごっている=汚れているってことでは決してありません。 (もちろん、全く汚れていないわけではないですが。大都市がそばにありますしね。) 実は、「にごり」の正体は、小さな小さなプランクトン(浮遊生物)たちです。 陸上では草や木などの植物が太陽の光をつかって、光合成をして有機物を作っていますが、温帯の海では0.1mmにも満たない植物プランクトンがその役割(海の「基礎生産者」といいます)の大部分を担っています。 珪藻 いろいろな形の種が存在します 植物プランクトンは春から秋にかけて、非常に多く発生します。さらに、その植物プランクトンを食べる動物プランクトンもたくさん増えます。代表的な動物プランクトンとして有名なのは、シラスなどのエサになるカイアシ類(コペポーダ)です。さらに、カニやエビ、フジツボ、ゴカイなど海の底で暮らしている動物の幼生(昆虫でいうと幼虫)もたくさんいます。 カイアシ類(コペポーダ) これらプランクトンが大量に発生するので、海の透明度はどうしても落ちてしまいます。しかし、それは決して「汚い」のではなく、たくさんの生物が暮らしている豊かな海なのです。つまり、植物プランクトンいっぱいの「青汁」というか、栄養たっぷりのスープみないな状態になっています。そして、そのスープを利用して(食べて)、多くの生物たちが暮らしています。 ちなみに、人間はほとんどの植物プランクトンを消化できないので、海水を飲んでも栄養にはなりません。 相模湾はプランクトンの少なくなる秋〜冬に透明度が良くなります。水深20mの海の底から海面に浮かぶ船がくっきり見えることもしょっちゅうです。沖縄並みの透